2007年10月08日 月曜日
●ふくおか十麺相 その九 ~鉄都は大衆麺パラダイス~
北九州市戸畑の市場や食堂で古くから親しまれているチャンポンは、キャベツにモヤシに蒲鉾にイカと一見なんの変哲もない。が、 具の下に隠れためんが特徴的。チャンポンと言えば、太いめんをイメージするが、具の底から姿を現しためんはかなり細い。
「普通のチャンポンめんは茹でて仕上げるのですが、うちのめんは蒸すんです。作り方が全く違うんですよ。」 と語るのは田中製麺所の3代目店主、田中龍さん(43歳)。昭和15年頃、 取引のあった中華料理店の中華まんの蒸籠蒸しをヒントに初代が考案したという製法を、今も忠実に守る。

めんのコシを決めるグルテン。通常のめん作りにはグルテンが多く含まれる強力粉や中力粉が使うが、 蒸し麺にはグルテンの少ない薄力粉を使う。練り上げて作った生麺を木製の蒸籠に並べ、強い蒸気で10分ほど蒸した後蒸し器からおろし、 強い風を当てて一気に乾燥させる。生地の練り具合と蒸し加減の兼ね合いでめんの味と食感が決まるという。

戸畑チャンポンの老舗の一軒、福龍で食べてみた。なるほど太い茹で麺のチャンポンとは明らかに食感が違う。 細い蒸し麺はシュルシュルと小気味よく口に収まり、更に強いコシともちもち感を併せ持つ、独自な味わいである。戦後の高度成長期、 製鉄所が繁栄していた頃は、工場で働く労働者達がこの味を求め列をなしたという。
かつては日本四大工業地帯のひとつとして栄えた北九州は、戸畑の蒸し麺チャンポンに加え、小倉北区の乾麺を使った焼きうどんや、 小倉南区の角切り肉が具の「どぎどぎうどん」など、土地々々で愛される「ご当地めん」が数多く残る、庶民派グルメのパラダイスなのだ。
田中製麺所:蒸し麺10食入り600円。福岡県北九州市戸畑区牧山1丁目1-21。
福龍:チャンポン630円。福岡県北九州市戸畑区中原西1-1-36。11:30~21:00
(水木は20時まで)、日曜定休。Pあり。
◎2007年通算麺喰い数◎ラーメン189● うどん86●そば43● その他49
◎今月の総ジョグ距離:0km / 通年347km